
⼟砂災害への危機意識を⾼める体験型VRシステムを開発
⼯学研究科 情報学専攻 博⼠前期課程1年 FUTA NAKAMURA-
背景
災害体験VRシステムが⼈々の
防災意識の改善に貢献している⼀般の⼈々に⼟砂災害を⾝近に感じてもらい、危機意識を醸成するために、⼟砂災害を仮想空間内で体験できるVR(Virtual Reality)システムを開発しました。⾼校時代からVRに興味があり、⼤学で専⾨的に研究したいと思っていました。そんなとき、災害を体験できるVRシステムが各所で開発され、⼈々の防災意識の改善に貢献しているという情報を⽿にしました。そこで、⾃分も興味のある分野で社会に貢献できないかと考え、⼟砂災害体験VRシステムの開発を決意しました。
-
目的
実際の⼟砂災害に直⾯した⼈々が
適切な⾏動を取れるようにする私が開発したVRシステムを体験した⼀般の⼈々が、⼟砂災害についての知識を深めること、現実世界で災害に直⾯した際に適切な⾏動を取れるようにすることを⽬的にシステムを開発しました。また、VRに関する専⾨的な知識を⾝に着け、普段⾃分が何気なく体験しているコンテンツにどのような技術が使われているのかを深く知りたいと考えました。研究を通して、企業や⾏政機関の担当者など、さまざまな社会⼈と交流し、専⾨知識だけでなく、⾏動⼒や積極性を⾝に着けることも⼼がけました。
-
開発
LiDAR※を⽤いて実際の部屋を
スキャンして3Dデータ化した開発したVRシステムでは、体験者は⾃宅におり、そこに台⾵が迫ってくる状況を想定しました。シーンが進⾏するごとに⾬が強くなり、最終的に⼟砂が⾃宅になだれ込んでくるという結末を迎えます。シナリオや⼟砂災害をよりリアルな空間で体験してもらうため、LiDAR(ライダー※)を⽤いて実際のホテル客室をスキャンして3Dデータ化し、仮想屋内空間として⼟砂災害体験VRに導⼊しました。VRゴーグルを装着したユーザーに臨場感を与え、より防災意識を⾼められるように⼯夫しました。
※LiDAR=「Light Detection And Ranging」の略。レーザー光を照射して、空間をスキャンする技術。 -
検証
研究発表のフィードバックで
さらなる機能強化を検討中実空間をスキャンして得た3Dデータを使⽤したことで、より現実に近い仮想空間で⼟砂災害避難を体験できるVRシステムに仕上がりました。ただ、3Dデータを細かく検証すると画質の粗さが⽬⽴つ点もあり、LiDARを使ったスキャン⼿法のさらなる改善が必要です。学内‧学外で研究発表を⾏ったところ、⾃分⾃⾝では気が付かなかった意⾒や提案を多数いただきました。⼀般ユーザーの災害への意識を⾼めるために、どのような機能を持たせるべきかさらに検討しています。
-
まとめ・効果
⼟砂災害の危険性をより⾝近に
感じてもらえるシステムを⽬指す今後の研究では、より⼟砂災害の危険性を⾝近に感じてもらえるようにシステムの改良を⾏っていきます。体験者の⾏動によってシナリオの分岐を発⽣させ、避難成功‧避難失敗などの判定ができるようにするつもりです。研究室配属前、⾃分はかなり内気な性格でしたが、さまざまな関係者と交流を深める中で、積極的に⾏動する姿勢を⾝に着けることができました。⼤学院修了後は、⼤学で学んだ情報系の幅広い知識を⽣かし、社会に貢献できるコンテンツを作成していきたいと思っています。
SITE CONTENTS

